「腰痛が気になり始めたけれど、一般的なストレッチやマッサージを試しても改善しない…」そんな悩みを抱えている方へ、ひとつの盲点に焦点を当てた新しいアプローチをご紹介します。
それは「足首の柔軟性」です。
多くの人が腰痛の原因を腰そのものに求めがちですが、実は足首の硬さが関わっていることがあります。
足首が硬いことで、体のバランスが崩れ、腰や膝に過剰な負担がかかり、その結果腰痛を引き起こすことがあるのです。
この記事では、足首の柔軟性を高めるストレッチ方法を紹介し、腰痛を改善するための新たな視点を提供します。足首の柔軟性を改善することで、腰痛を予防し、日々の生活がもっと快適になるかもしれません。

もし、何をしても腰痛が改善しないと感じているなら、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。
一般的な腰痛の原因
一般的な腰痛の原因を以下に挙げます。
一般的な腰痛の原因
- 筋肉や関節の緊張
- 姿勢の悪さ
- 運動不足
- 過度なストレス
- 体重の増加
多くの人が腰痛に悩まされる理由の一つに、長時間同じ姿勢で過ごすことが挙げられます。
特にデスクワークや立ちっぱなしの仕事などでは、腰に負担がかかりやすくなります。また、無理な姿勢で物を持ち上げたり、運動不足が続くと、筋肉が硬くなり、関節にも負担がかかってきます。
さらに、体重が増えることで腰への圧力が高まり、腰痛が悪化することもあります。特に内臓脂肪が多いと、腰周りに負担がかかり、痛みを感じることが増えることがあります。
これらの原因に対しては、運動や姿勢の改善、ストレッチ、適切な体重管理が効果的です。
しかし、意外にも腰痛の原因が「足首の柔軟性」にある場合があります。以下のような症状が現れる場合は、足首の柔軟性を原因とする腰痛の可能性があります。
足首の柔軟性を原因とする腰痛の症状
- しゃがむと腰が丸まる
- 和式トイレや低い椅子に座るのが苦手
- 足首を回したときにゴリゴリ音がする人
「足首の柔軟性」が原因の腰痛をチェックする方法

「足首の柔軟性」が低いと、しゃがむ・立つといった基本動作を行う度に、無意識のうちに腰に負担をかけてしまいます。その結果、腰痛を引き起こすことがあります。
まずは、自身の腰痛が足首の柔軟性を原因としているのか、次を参考にチェックしてみください。
【足首の柔軟性セルフチェック】しゃがみ込みテスト
まず、足の内側と膝をそろえて立ち、ゆっくりとしゃがんでください。
下の写真を参考に、手の位置を初級から順に置き、姿勢をキープしてください。

- 初級|腕をまっすぐ前に伸ばす
- 中級|胸の前でクロスする
- 上級|背中で手を組む
腕を前に伸ばした状態でもしゃがみ込めない、またはつらいと感じた場合は、足首がかなり硬くなっている可能性があります。(これは足首の背屈制限が強い状態です。)

ちなみに、胸の前で腕をクロスした状態でしゃがめるなら、柔軟性は平均的といえます!
足首の硬さは、実は自覚がない方が多くいらっしゃいます。そのため、腰痛の原因と足首の柔軟性に気付けないことがほとんどです。
スポーツ選手でも足首の硬さに気付けない(実例)
「レシーブが苦手」「練習後に腰が痛くなる」という2つの悩みを抱えていたバレーボール選手のトレーニングを担当した際のエピソードを紹介します。
この選手の悩みの根本的な原因を探るため、立ち姿勢や骨盤の位置をチェック、日常生活のヒアリング等を行いました。
最初に立ち姿勢や骨盤の位置をチェックし、本人から病院での検査では異常なしとのことで、特に問題は見られませんでした。
しかし、実際にボールを使った練習を見学すると、レシーブ動作に違和感がありました。構えに入るのが遅く、動作もぎこちない。そして、ミスが多くなる傾向がありました。
練習後に改めてヒアリングすると、腰の痛みは長時間の作業でも悪化し、「和式トイレが苦手」という情報も得られました。
ここでようやく「足首の硬さ」が原因ではないかと、原因を特定することができました。
足首が硬いことで、レシーブ時の正しい姿勢が取りづらく、動作が遅れてしまう。さらに、その分腰を過度に曲げることで負担が増し、練習後に痛みが出る。
つまり、レシーブの苦手意識も腰痛も、足首の背屈制限(つま先を上げる動作の制限)から生じていたのです。
足首が硬いとしゃがみ込みがスムーズにできず、腰を過剰に曲げて動作を補うことになります。その結果、腰に負担がかかり、痛みが生じていました。
この結果を踏まえ、足首の柔軟性を高めるトレーニングとストレッチを重点的に行い、慢性的な腰痛を改善することができました。
足首の硬さが腰痛を引き起こすメカニズム
足首の動きが悪いと、本来足関節で吸収・調整すべき動作を他の部位が補おうとします。
特にスクワットやしゃがみ込みのような動作では、足首の背屈(つま先を上げる動き)が制限されると、膝が十分に前に出せなくなるため、その分、腰を過剰に曲げる(前傾させる)ことになります。
これが長時間続くと、腰への負担が増し、腰痛の原因になります。
足首の制限が膝・股関節・腰へ影響を及ぼす「キネティックチェーン」
身体は「キネティックチェーン(運動連鎖)」と呼ばれる相互作用のある構造を持っています。
足首が硬いと、以下のような影響が起こります。
- 膝がスムーズに曲がらない → 可動域が狭くなる
- 股関節の動きが制限される → 骨盤の傾きが変化
- 腰がその負担を補う → 腰椎への負担が増し、慢性的な痛みの原因に
特に、しゃがみ込み動作の際に足首が硬いと、腰を過度に丸めて無理にバランスを取る必要が出てしまいます。

この動作が習慣化すると、腰椎に負担がかかりやすくなり、結果的に腰痛を引き起こしやすくなります。
医療業界では広く知られている
スポーツ医学や理学療法の分野では、足首の柔軟性低下が膝・股関節・腰などの運動機能に影響を及ぼすことは広く知られています。
例えば、以下のようなデータもあります。
- 足関節の可動域制限が膝痛や腰痛のリスクを高める(2015年の研究)
- 足首の硬さがスクワット動作に影響し、腰へのストレスを増加させる(スポーツリハビリテーションの報告)
足首の柔軟性を改善することで、腰痛が軽減するケースも多くあります。
足首の背屈制限がある人がふくらはぎやアキレス腱のストレッチを継続することで、腰痛が改善したという事例もあります。
腰痛予防に役立つストレッチ
自宅でトレーニングをしたことがないという方は、事前に注意点や効果的にトレーニングする方法をチェックしておきましょう。
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足首の回転ストレッチ

- 座った状態で右足の太ももの上に、左足の足首を乗せます。
- 右手は右足首当たりを握り、左手で右足を「恋人つなぎ」のように絡ませます。
- ゆっくり、大きく回します。
- 時計回りと反時計回りに30秒ずつ行いましょう。
- 反対側の足も同じようにストレッチします。
足首は意外と自分の力だけでは動かしにくい部分です。
そこで、手を使って少し力を加えてあげることで、スムーズに動かすことができます。
このストレッチは座った状態でできるので、テレビを見ながらでもお風呂の中でも行えます。

ちょっとした隙間時間に取り入れみてください!
足首の背屈ストレッチ(足を引き寄せる)

- 座った状態で片膝を立て、もう片方の足を前に出して、足の指先を引き寄せます。
- 足先を手で引き寄せることで、足首の後ろ側(アキレス腱部分)の伸びを感じます。
- 15~30秒間保持し、反対側も行います。
- ゆっくりと呼吸をしながら行うことがポイントです。
立って行うふくらはぎストレッチ

- 片足を前に出し、もう片方の足を後ろに引きます。
- 雑誌などで少し高さを作りストレッチする方のつま先側半分を乗せます。
- 膝が曲がらないように気をつけて、ゆっくり上体を曲げていきましょう。
- 片足ずつ、10~20秒の間隔で、3~5回繰り返し行います。
このストレッチは足首とふくらはぎの柔軟性を同時に高めることができます。
無理せず、痛みを感じない範囲で行ってください。呼吸を整えながら、ゆっくりと伸ばすのがポイントです。

これらのストレッチは、腰痛予防だけでなく、足のむくみ対策にも効果的。続けることで、美脚効果も期待できるので、ぜひ習慣にしていきましょう!
まとめ
足首を柔らかくして腰痛を改善する、おすすめストレッチは以下のとおりです。
- 足首の回転ストレッチ
- 足首の背屈ストレッチ
- 立って行うふくらはぎストレッチ
意外な原因と思われますが、実は足首の柔軟性と腰痛の関係は医療業界でも広く知られています。
ちょっとした隙間時間でできるストレッチなので、習慣化して腰痛を予防していきましょう。
せっかくトレーニングを始めるのなら、まずはご自身にあったトレーニングを知ることが重要です。理想のスタイルを目指すためにも、Atelier Reve 藤が丘に是非お気軽にご相談ください。
私、プロトレーナーりゅうけんが、本気で向き合い全身全霊でサポートさせていただきます。