長時間のデスクワークで、肩こりや腰痛、目の疲れを感じていませんか?
その原因の多くは「姿勢の崩れ」にあります。猫背や巻き肩、骨盤のゆがみなどは、知らず知らずのうちに体に負担をかけています。
本記事では、仕事中でも実践できる姿勢改善ストレッチをわかりやすく紹介。座ったままできる簡単な方法ばかりなので、運動が苦手な方でも続けやすいのが魅力です。
体が整えば、気持ちもすっきり前向きに。デスクワークの合間にストレッチを取り入れて、快適な毎日を手に入れましょう。
デスクワークで崩れる姿勢|肩こり・腰痛・目の疲れがつらい理由

長時間のデスクワークは、肩こり・腰痛・目の疲れといった不調を引き起こす原因になります。
座りっぱなしの姿勢では、首や肩、背中、腰まわりの筋肉が緊張したままとなり、血流が滞りやすくなるためです。
とくに猫背や骨盤の後傾が習慣化すると、肩甲骨や背骨の可動域が制限され、全身に疲れが蓄積しやすくなります。
さらに、目線が下がった状態が続くことで、首の後ろの筋肉もこわばり、慢性的な首こりや頭痛の原因にもつながります。一見ラクに見える座り姿勢ですが、体にとっては「動かない」ことそのものがストレス。
筋肉は本来、動くことで血流を促進するポンプのような役割を果たしますが、動きがないとその機能も低下し、酸素や栄養が不足しやすくなります。
このような静的な緊張状態が続くと、筋肉のコリやだるさ、むくみなどを引き起こします。
体の不調を防ぐためには、まず姿勢の崩れに気づき、こまめに動いて血流を促すことが大切です。

ストレッチや軽い運動は、筋肉のバランスを整え、姿勢のリセットにも役立ちます。
座ったままできる!姿勢改善ストレッチ7選
仕事の合間でも無理なく取り組める、座ったままできるストレッチを7つ厳選してご紹介します。オフィスや在宅ワーク中でも気軽に続けられます。
肩こりや首のこわばり、腰の違和感、背中のハリ、眼精疲労など…多くの人が抱える「あるある不調」は、実は正しいストレッチで改善が可能です。まずは気になる部位から試してみましょう。
クロスボディ・ショルダーストレッチ(肩まわり)

デスクワークで固まりやすい肩まわりをほぐすのに効果的なストレッチです。
僧帽筋や三角筋後部にやさしくアプローチでき、肩こりの予防や姿勢改善にもつながります。
- 椅子に座った状態で、右腕をまっすぐ前に伸ばします。
- その腕を胸の前で左側へ引き寄せるように移動させます。
- 左手で右ひじを軽く押さえ、右腕を胸の前で抱えるようにします。
- このとき、右肩が上がらないように注意しながら、右肩の外側〜肩甲骨の外側が伸びる感覚を感じてください。
- 呼吸を止めずに、10~20秒ほどキープします。
- ゆっくり腕を戻し、反対側も同様に行います。
- 左右それぞれ1〜2回ずつが目安です。
肩をすくめたり、背中を丸めないようにしてください。
姿勢はまっすぐのまま行い、呼吸はゆったりと自然に保ちましょう。
首の前後ストレッチ(僧帽筋・胸鎖乳突筋)
長時間のパソコン作業で前傾しやすい首には、前後の筋肉をバランスよく伸ばすストレッチが効果的です。
特に僧帽筋や胸鎖乳突筋といった、肩こり・頭痛の原因となる筋肉をやさしくほぐすことで、姿勢のリセットにもつながります。

- 椅子に浅く腰掛け、姿勢をまっすぐに整えます。
- 両手をクロスして鎖骨の中央に重ね、手のひらで鎖骨を軽く押さえます。
- あごを前に出すようにして、ゆっくりと顔を真上に向けましょう。
- 首の前側(のど元〜鎖骨にかけて)が心地よく伸びているのを感じたら、そのまま10~20秒キープします。
- 慣れてきたら、顔を斜め右上・斜め左上に向けることで、伸ばす筋肉を少しずつ変化させられます。
- ゆっくりと元に戻し、2〜3回繰り返します。
鎖骨に置いた手は強く引っ張らず、サポートする程度で十分です。
首を反らせすぎず、前に伸ばす意識でリラックスした姿勢で行ってください。

頭を前に倒して、後ろ側を伸ばすのも効果的です。
首のサイドストレッチ|肩をすくめずゆっくりと

首の横側(僧帽筋上部や胸鎖乳突筋)は、緊張しやすく肩こりの原因にもなりがちです。特にデスクワークでは、肩がすくんだ状態で固まりやすいため、やさしく伸ばしてリセットしてあげましょう。
- 椅子に腰掛け、右手を背中に回して腰に添えます。
- 左手を頭のてっぺんにのせ、息を吐きながらゆっくりと左に倒します。
- 首の右側(耳の下〜肩にかけて)がじんわりと伸びているのを感じましょう。
- そのまま10~20秒キープします。
- 首をすこし前方へ傾けると、より深い部分までストレッチできます。
- ゆっくり戻して反対側も同様に行います。
肩が上がらないよう、肩の力を抜くこと。無理に引っ張らず、頭の重さ+サポート程度でOKです。
このストレッチでは首を倒す角度で、効かせたい筋肉を調整できるのがポイントです。
足組ねじりストレッチ(腰・お尻・わき腹)


骨盤まわりの筋肉や背骨を支える筋肉は、長時間の座り姿勢で固まりやすい部位です。
椅子に座ったまま、腰からしっかりひねる動作を取り入れることで、腰痛予防やわき腹の引き締めにも効果が期待できます。
- 椅子に浅く腰掛け、右足首を左太ももの上にのせて足を組みます。
- 左ひじを右ひざの外側に当て、息を吐きながら上体を右へゆっくりひねります。
- わき腹や背中、骨盤まわりが伸びているのを感じながら30秒キープします。
- 戻したら反対側も同様に行いましょう。
- 左右それぞれ2回(30秒×2セット)が目安です。
深く呼吸をしながら、背中を丸めず、背筋を伸ばした状態でねじるのがコツです。
ひじでひざを押すようにすると、ねじりが深まり効果UPします。
肩甲骨ひらきストレッチ(背中・広背筋)


長時間のデスクワークでは、肩甲骨が外側に開いたまま固定され、背中のハリや肩こりの原因になります。このストレッチでは、肩甲骨まわりの筋肉をほぐし、背中全体をリセットすることができます。
- 椅子に腰掛け、両腕を前に出して「大きな丸太を抱える」ように腕を組みます。
- 息を吐きながら背中を丸め、両手を前方へぐーっと伸ばします。
- 肩甲骨を左右に開くイメージで、背中の真ん中あたりがじんわり伸びるのを感じながら20〜30秒キープ。
- ゆっくり元に戻します。2〜3回くり返すのが目安です。
腰ではなく、背中の上部から丸める意識で行いましょう。両手をしっかり前に出すことで、肩甲骨が自然と外側に広がります。
肩や首に余計な力が入らないよう、リラックスして行うことが大切です
目のストレッチ|眼精疲労や頭痛のケアにも
パソコンやスマートフォンを長時間見続けると、目の周囲の筋肉が緊張し、眼精疲労や頭痛の原因になります。目も体の筋肉と同じように、意識的にストレッチを行うことでリフレッシュ効果が得られます。
- いったん目を閉じて、深呼吸を2〜3回行いましょう。
- そのまま、目を閉じたままゆっくり眼球を上下左右に動かします。上→下→左→右の順に、視線を大きく移動させるのがポイントです。
- 次に、目を開けた状態で遠くの景色を数秒眺めたあと、指先など近くの物を見るという「遠近切り替え運動」も行いましょう。
- 最後にもう一度目を閉じて、力を抜きながら軽くまぶたをマッサージして終了です。
眼球の動きはゆっくり大きく行うことが大切です。
目の奥が伸びるような感覚を意識すると効果的。1〜2分でも実施するだけで、目の疲れや重さが軽減されます。
ストレッチの効果を高めるコツ|姿勢改善の第一歩に

ストレッチは「なんとなくやる」だけでは効果を実感しにくく、すぐにやめてしまう原因にもなります。
ここでは、姿勢改善に向けてストレッチの効果をしっかり引き出すためのコツを解説します。
筋肉は両端から伸ばすとよく伸びる|効果の仕組み
ストレッチでは、筋肉の「起始(きし)」と「停止(ていし)」という、両端の付着部を遠ざけるように引き合うことが大切です。
例えば、首のサイドを伸ばすストレッチであれば、片腕を背中に回して肩を下げ、反対の手で頭を横に引く。
このように上下から引っ張るような意識を持つと、筋肉がしっかりと伸び、柔軟性アップに直結します。
逆に、片方だけを動かしたり、全身が緩んだ状態だと、筋肉がうまく伸びず、効果が半減してしまいます。
ストレッチの姿勢と角度を丁寧に意識することが、変化を生む第一歩です。
1回10秒でもOK|合間にできるストレッチ習慣
「ストレッチ=時間がかかる」と思われがちですが、実は1回10秒程度でも十分に効果があります。
デスクワーク中の隙間時間にこまめに取り入れるだけで、血流が促進され、筋肉のこわばりがやわらぎます。
例えば、資料を印刷している間や、メール送信後など、ちょっとした“待ち時間”を使って首を回す・肩を伸ばすといった動作を挟むだけでも、体は少しずつリセットされていきます。
ポイントは「1日トータルで数セット行うこと」です。
決まった時間にまとめてやるよりも、何度も体を動かすほうが、筋肉の柔軟性や関節の可動域の改善につながります。

「ながらストレッチ」を習慣にすることで、姿勢改善への一歩を自然に踏み出すことができます。
呼吸と意識の置き方で効果が大きく変わる
ストレッチ中に呼吸を止めてしまう人は意外と多いですが、これは非常にもったいない習慣です。
呼吸を止めると筋肉が緊張し、かえって伸びにくくなってしまいます。ストレッチの効果を最大限に引き出すには、ゆっくりと自然な呼吸を続けることが大切です。
特に、伸ばす瞬間に「息を吐く」と筋肉がゆるみ、より深くストレッチできます。
また、伸ばしている筋肉に「意識を向ける」ことも非常に重要です。
ただなんとなく動作をこなすのではなく、「今どこが伸びているか」「左右差はあるか」などを感じながら行うことで、脳と筋肉のつながりが強化されます。
これにより、ストレッチ後の姿勢や動きにも良い影響を与えるのです。呼吸と意識、この2つを意識するだけで、日々のストレッチがぐっと効果的になります。
ストレッチ+αで変わる!本格的な姿勢改善へのステップ

ストレッチは姿勢改善の「入り口」としてとても有効ですが、それだけでは根本的な解決にはつながらないこともあります。
なぜなら、良い姿勢を維持するためには、柔軟性だけでなく「支える力=筋力」が必要だからです。
ストレッチにプラスして行いたい運動や、その考え方について紹介します。
姿勢保持には筋力も必要|ストレッチだけでは不十分
姿勢を整えるには、関節の可動域を広げるだけでなく、整えた姿勢を保つための筋力が欠かせません。
特に、腹筋や背筋、骨盤まわりの筋肉(体幹部)は姿勢保持の要。
ストレッチだけではこれらの筋肉が十分に鍛えられず、姿勢が元に戻ってしまうことも少なくありません。
ストレッチで整えた姿勢を「維持」するためには、最低限の筋トレを取り入れることが大切です。
関連記事:猫背を筋トレで根本から改善!姿勢美人を目指すための正しいアプローチ
おすすめは自重トレorパーソナルジムでの指導
初心者には、自宅でもできる「自重トレーニング」から始めるのがおすすめです。
プランクやヒップリフト、壁スクワットなどは、姿勢改善に必要な体幹や下半身の筋力を効果的に鍛えられます。
また、正しいフォームに不安がある人は、パーソナルトレーナーの指導を受けるのも効果的です。
正しい動きを覚えることで、ケガを防ぎながら効率よく姿勢改善が進みます。
関連記事:自宅で始める筋トレ!初心者から上級者まで効果を実感する方法
まとめ
姿勢の悪化は、長時間のデスクワークによるものがほとんどです。今回ご紹介したような簡単なストレッチを、1日1つずつでも取り入れるだけで、少しずつ体のバランスは整っていきます。
大切なのは、無理なく継続できる習慣をつくること。
姿勢が整うことで、見た目の印象が良くなるだけでなく、肩こりや腰痛の予防、集中力アップといった多くのメリットも得られます。
まずは今日から、できそうなストレッチを1つだけ試してみてください。それが、快適な毎日への第一歩になります。