「肩のラインを引き締めたい」「丸みのある肩をつくりたい」、そんな悩みを持つ方におすすめなのがダンベルショルダープレスです。
三角筋を効率よく鍛えられるこの種目は、ダンベルとベンチさえあれば始められるため、初心者にも取り入れやすく、フォームさえ押さえれば自宅でも十分に効果を実感できます。
本記事では、ダンベルショルダープレスの基本フォームや鍛えられる筋肉、ケガを防ぐための注意点まで徹底解説。
肩トレに挑戦したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ダンベルショルダープレスとは?肩を効率的に鍛えるベンチ活用種目
主に三角筋を鍛えるダンベルショルダープレスは、ダンベルとベンチさえあれば簡単に取り入れられるため、初心者にも人気の高い定番種目となっています。
ここでは、まず三角筋への具体的な効果と、バーベルとの違いをふまえたダンベル使用のメリットについて解説します。
三角筋(前部・中部)を重点的に刺激するメリット
ダンベルショルダープレスでは、肩の筋肉である「三角筋」の中でも前部と中部を集中的に刺激することができます。
三角筋前部は腕を前方に上げる動作、中部は腕を真横に広げる動作で働きますが、プレス系の動作では両方が同時に使われるため、肩の丸みや立体感を出すのに非常に効果的です。
特にダンベルショルダープレスでは、ベンチに背中を預けた安定した姿勢で動作ができるため、体幹がまだ弱い初心者でも狙った部位に効かせやすいのが特徴です。
また、肩まわりの筋力を高めることで、他の上半身トレーニング(ベンチプレスや懸垂など)のパフォーマンス向上にもつながります。
肩の筋肉は日常生活では使われにくく、加齢とともに筋量が落ちやすい部位でもあるため、意識的に鍛えることで姿勢改善や肩こり予防にもつながるのがこの種目の隠れたメリットです。
関連記事:ベンチプレスの正しいフォームとは?胸・肩・二の腕を効率よく鍛える方法を徹底解説
バーベルではなくダンベルを使うメリットと可動域の広さ
ショルダープレスにはバーベルを使う方法もありますが、ダンベルを使うことで得られるメリットは非常に多く、特に初心者にはダンベル版がおすすめです。
まず大きな利点は「左右独立した動作」ができること。
バーベルの場合、片側に力の偏りがあっても無意識に補正されてしまいますが、ダンベルなら弱い側・動きにくい側の筋力差を把握しやすく、バランスよく鍛えることができます。
さらに、可動域(動かせる範囲)が広くなるのもポイントです。
ダンベルなら、耳の横から頭上へと自然な軌道で動かすことができ、肩関節に無理な負担をかけずに深く動かせるため、筋肉への刺激も高まります。
加えて、左右で異なる角度やペースでコントロールできるため、ケガのリスクを抑えつつ自分に合ったフォームを見つけやすいという点も、ダンベルの大きな強みといえるでしょう。
関連記事:【初心者向け】効果的なダンベルトレーニングメニューについて解説
ダンベルショルダープレスで鍛えられる筋肉と期待できる効果

ダンベルショルダープレスは、肩まわりを中心に複数の筋肉を同時に使う「多関節トレーニング」です。
見た目の変化だけでなく、体幹の安定や姿勢改善などの機能的な効果も期待できるのが魅力で人気の種目になります。
三角筋の前部&中部|肩の丸みやシルエットをつくる
ショルダープレスでメインターゲットとなるのが、肩の筋肉「三角筋」です。三角筋は前部・中部・後部に分かれており、その中でもダンベルショルダープレスでは前部と中部が主に刺激されます。
前部は腕を前に上げる動作、中部は腕を横に広げる動作に関与し、これらを鍛えることで肩に丸みが出て立体的なシルエットを作ることができます。
特に中部が発達すると、上半身全体のボリューム感が増し、「逆三角形」の体型が強調されます。
また、三角筋は肩関節を安定させる働きもあり、腕を上げ下げする日常動作をスムーズに行う上でも重要な役割を果たしています。

デスクワークやスマホ操作で硬くなりやすい肩周辺を、積極的に動かして鍛えることは、姿勢改善や肩こり予防にもつながります。
上腕三頭筋|プレス動作の安定性を支えるサポート役
上腕三頭筋は、いわゆる「二の腕の裏側」にあたる筋肉で、肘を伸ばす動作で主に働きます。
ショルダープレスでは肘を押し上げるときにこの筋肉が補助的に使われ、動作の安定性を高める重要な役割を果たしています。
とくにダンベルを頭上に押し上げる軌道では、肩の筋肉だけでなく腕の筋力も必要になるため、三角筋と連動して上腕三頭筋も自然と鍛えられる構造になっています。
結果として、肩まわりだけでなく腕の引き締め効果も得られ、見た目にもバランスのとれた上半身をつくることができます。二の腕を引き締めたい女性にもおすすめのトレーニングと言えます。
また、上腕三頭筋はベンチプレスやディップスなど他のプッシュ系種目でも使われるため、ショルダープレスで鍛えておくことで、他のトレーニング種目にも良い影響を与えられます。
関連記事:筋トレで二の腕痩せは叶う!正しく細くする方法とおすすめトレーニング
僧帽筋など肩まわりの補助筋による姿勢改善効果
ダンベルショルダープレスでは、三角筋や上腕三頭筋が主に使われますが、それらの動きをサポートする補助筋として「僧帽筋」や「前鋸筋」なども同時に働いています。
僧帽筋は首の後ろから肩、背中の上部にかけて広がる筋肉で、肩甲骨の安定に関わる重要な部位です。
この僧帽筋を適度に鍛えることで、肩甲骨が正しい位置に引き寄せられ、猫背の改善や肩こりの予防にも効果が期待できます。
また、前鋸筋などのインナーマッスルも自然に使われるため、トレーニングを重ねることで肩まわりの安定性が高まり、日常の動作がスムーズになります。

つまりダンベルショルダープレスは、ただ筋肉を「大きくする」だけでなく、身体の機能そのものを整えるという点でも非常に優秀なトレーニングです。
関連記事:猫背を筋トレで根本から改善!姿勢美人を目指すための正しいアプローチ
ダンベルショルダープレスの基本フォーム
ダンベルショルダープレスは、正しいフォームで行うことで三角筋にしっかり効かせることができます。
反対に、姿勢や動作が崩れると効果が半減するだけでなく、肩や腰を痛めるリスクも高まります。
初心者でも安全に取り組めるフォームのポイントを3つのステップに分けて解説します。
ベンチの角度と正しい姿勢|安定したセットアップがカギ
まずはベンチの角度と姿勢のセッティングです。ベンチの背もたれは、70〜90度の間に調整します。
完全な直角(90度)だと腰に負担がかかることもあるため、やや後ろに傾けた75〜80度前後が最も安定しやすく、多くのトレーニーにとって快適です。
ベンチに座ったら、腰は軽く反らせる程度に保ちつつ、胸を張って背もたれに密着させましょう。
足は床にしっかりとつけ、左右均等に体重をかけて体幹を安定させます。この姿勢が崩れるとダンベルを持ち上げるときに上体がグラつくため、セットアップは慎重に行いましょう。
正しい姿勢で構えることで、肩への刺激が逃げず、狙った部位にしっかりと効かせられます。
オンザニーで安全にスタートポジションをつくる

ダンベルショルダープレスは、「オンザニー」と呼ばれる動作を使ってスタートポジションに移行します。
オンザニーとは、太ももの上(ニー=膝)にダンベルを置き、そこから勢いを使って肩の高さまで持ち上げるテクニックです。
以下の手順で行いましょう。


- ベンチに座り、ダンベルを太ももの上にセット
- 胸を張りながら、片足ずつ軽く押し上げるようにしてダンベルを肩の位置まで運ぶ
- 耳の横、肘が90度になる位置で動作を止める
この方法を使うと、無理なくスムーズにスタートポジションが取れるため、肩や腰への負担を最小限に抑えられます。
重量が重くなるほどオンザニーの重要性は増すため、初心者のうちからしっかりと習得しておきたいポイントです。
動作の流れとフォーム維持のために意識すべきこと


- ベンチの背もたれの角度を70〜90度に調整します。座ったら、足は床につけて体幹を安定させましょう。
- ダンベルを両手に持ち、オンザニーで太ももの上に乗せたら、膝の反動を使ってダンベルを肩の高さまで引き上げます。
- 肘の角度は約90度、ダンベルは耳の横あたりがスタートポジションです。
- 息を吐きながら、肩の力でダンベルを真上に押し上げます。ダンベル同士をぶつけないように注意し、軌道はやや内側に寄せながら斜め上に押し出すように行います。
- トップで軽く止めたら、息を吸いながらコントロールしてダンベルを耳の高さまで戻します。
- 動作は「押す → 止める → 戻す」の流れを意識し、反動を使わないことが大切です。
- 最初は10回3セットを無理なくこなせる重量からスタートしましょう。
反動を使わず、ゆっくりとしたテンポで行うことで、筋肉への負荷が最大化されます。
肩や腰を痛めないための注意点

ダンベルショルダープレスは肩を効率的に鍛えられる優れた種目ですが、フォームを誤ると肩関節や腰に負担がかかり、ケガにつながる可能性があります。
とくに初心者に多いのが、肩をすくめてしまうクセです。
これは三角筋への刺激が逃げ、代わりに首や僧帽筋に余計な力が入りやすくなる原因となります。
動作中は「胸を張る」「首を長く保つ」「肩と耳を遠ざける」といったことに留意し、肩甲骨を下げたまま安定させることが重要です。
もうひとつ注意すべきは腰の反りすぎです。
ダンベルを頭上に押し上げる動作では、体が反ろうとする力が働きやすく、腰椎に過度な負担がかかることも。
これを防ぐには、ベンチの背もたれに背中をしっかり預け、腹筋に軽く力を入れて体幹を安定させましょう。
腰の隙間は手のひら1枚分が目安です。

フォームを丁寧に整えることで、肩への負荷が高まり、ケガの予防にもつながります。
まとめ
ダンベルショルダープレスは、三角筋を中心に肩まわりを効率的に鍛えられる基本種目です。
フォームを正しく身につければ、肩のラインが引き締まり、姿勢改善や上半身全体のシルエットアップにもつながります。
初心者でも取り入れやすく、重量や回数の調整も自由度が高いため、自分のペースで続けやすいのも魅力です。
ケガを防ぐポイントを押さえつつ、まずは軽い重量から始めて、少しずつステップアップしていきましょう。
自宅でもジムでも取り組める「肩トレの王道」、ぜひ今日から実践してみてください。