ノースリーブや半袖になる季節になると、特に気になるのが「二の腕」。ぷよぷよしたたるみや、太く見えてしまうシルエットに悩む方も多いのではないでしょうか?
実は、二の腕は筋トレによってしっかり引き締めることができる部位です。しかし、やみくもに腕を動かすだけでは効果は出にくく、ポイントを押さえた「正しい筋肉の使い方」が必要不可欠。
この記事では、二の腕が痩せにくい理由やその対策、初心者でも自宅やジムで始められる筋トレメニューまで、徹底的に解説します。
「何をやっても二の腕が細くならない」と感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
二の腕が痩せないのは「筋肉の使い方」が原因

二の腕を引き締めたいと頑張って筋トレをしているのに、なかなか効果が出ない…そんな人は「筋肉の使い方」に原因があるかもしれません。
実は、二の腕は普段あまり使われにくい筋肉のひとつ。
特に正しい動きができていないと、いくら筋トレをしても思うように引き締まらないことが多いのです。
後ろに引く動きができないと二の腕は痩せにくい
二の腕が痩せない最大の理由は「上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)」という筋肉が使えていないからです。
二の腕には主に以下の3つの筋肉があります。
- 上腕二頭筋(腕の前側、力こぶを作る筋肉)
- 上腕三頭筋(腕の後ろ側、たるみが目立つ部分)
- 烏口腕筋(うこうわんきん/二の腕の奥深くにある小さな筋肉)
上腕三頭筋は腕の裏側にある筋肉で、主に「肘を伸ばす」「腕を後ろに引く」動作で使われます。
しかし現代人の生活では、パソコンやスマホ、家事など、ほとんどの動作が腕を前に出したまま行われます。すると腕の前側(上腕二頭筋)ばかり使われ、裏側の筋肉は眠った状態に。
結果として、以下のような状態になり、いくら腕を振っても、筋トレをしても二の腕は痩せにくいのです。
- 腕を後ろに引けない
- 肘だけしか動かせていない
- 腕全体を使えない
そのため、まずは「腕を後ろに引く動き」正しく行うことが必要です。
トレーニングで姿勢や日常のクセを矯正することが、効率よく二の腕痩せを叶えるポイントになります。
猫背や巻き肩が二の腕太りを助長する
もう一つの大きな原因が「姿勢の悪さ」です。
猫背や巻き肩になると、肩が前に入り腕が後ろに引けなくなります。肩甲骨の可動域が狭くなり、二の腕の筋肉がうまく使えない状態になるのです。
たとえば、以下のような姿勢になっていないかチェックしましょう。
- 肩が内巻きになっている
- 頭が前に出ている
- 背中が丸まっている
姿勢が悪いと肋骨が下がり、お腹や背中、肩まわりの筋肉が硬くなります。
結果として代謝が落ち、二の腕に脂肪がつきやすくなる悪循環に。
日常生活のクセが筋肉の使い方を悪くする
普段の動作のクセも、筋肉の使い方に大きく影響します。
以下のような動きが多い人は、筋肉が偏って使われている可能性があります。
日常動作 | 二の腕痩せに悪影響を与える理由 |
---|---|
いつも同じ肩にカバンをかける | 片側の筋肉だけ硬くなる |
横向きで寝るクセがある | 片側の肩甲骨が動かなくなる |
靴底の減りが左右で違う | 重心がずれて腕の動きも歪む |
手を前に出す時間が長い(PC・スマホ) | 肩が内巻きになり腕が後ろに動かない |
二の腕を引き締めるためには、筋トレだけでなく、普段の生活の中での動きや姿勢を意識することも欠かせません。
たとえば、左右どちらかに偏らないようバランス良く体を使うことや、肩甲骨まわりをしっかり動かすストレッチを習慣にすることは、筋肉が正しく使える体づくりに役立ちます。
さらに、日常的に背筋を伸ばして歩いたり、腕を後ろに引く動きを取り入れることで、使えていなかった二の腕の筋肉が自然と働くようになり、引き締め効果が高まります。

日常動作の見直しが、二の腕痩せを成功させるためにとても大切なポイントです。
二の腕痩せには筋トレが効果的な理由

二の腕痩せを目指すなら、食事制限やマッサージだけでなく、筋トレが欠かせない理由があります。
なぜなら、筋肉は使えば使うほどエネルギーを消費し、脂肪がつきにくい状態を作ってくれるからです。
また、筋肉を正しく鍛えることで、たるみやすい二の腕ラインが引き締まり、見た目にも変化が表れやすくなります。
よく動かす部位は脂肪がつきにくい仕組み
私たちの身体には「よく動かす部位=脂肪をつけにくい」というメカニズムがあります。
これは、脂肪が多すぎると動きが制限されるため、身体が「ここに脂肪は邪魔だ」と判断するからです。
逆に言えば、あまり動かさない部位には脂肪がつきやすくなります。
二の腕は普段の生活では意識して使わないと動かしづらい部位。そのため、積極的に筋トレで動かすことで脂肪がつきにくい環境を作ることができます。
筋肉を正しく使うと自然と二の腕が引き締まる
二の腕を引き締める筋トレでは、単に回数をこなせば良いわけではありません。
大切なのは「正しいフォーム」で筋肉をしっかり使うことです。
特に二の腕の裏側(上腕三頭筋)は、腕を後ろに引く動きで使われます。この動きを習慣化することで、筋肉がしっかり働き、自然と二の腕が引き締まりやすくなります。

正しい筋トレを続けると、見た目の変化だけでなく、トレーニングの達成感や満足度も大きくなっていきます。
手をついて体を起こせないなら筋力不足
二の腕の簡単な筋力チェックの方法をご紹介します。
- まず、床やベンチに手をついて腕立て伏せの姿勢を取ります。
- 身体を押し上げられるか確認してみましょう。
- もし、手をついても身体を起こせない場合は、二の腕の筋力不足のサインです。
特に注意したいのは、肘の曲げ伸ばしだけで動かそうとしているケース。
この場合、上腕三頭筋がしっかり使えていないことが多く、筋トレの効果が出にくい原因になります。
腕を後ろに引く動きや肩甲骨から動かす意識を持つことで、根本的に筋力アップを目指すことが重要です。
二の腕痩せに効果的な筋トレメニュー
正しく全身のトレーニングを行い、日常的に二の腕を使えるようになれば自然と余分な脂肪は落ちてきます。
さらにすっきりさせたい場合には、「上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)」を引き締めるトレーニングがおすすめです。
初心者はベンチプレスや腕立て伏せから
初心者におすすめの筋トレは、ベンチプレスや腕立て伏せ(プッシュアップ)です。
これらは大胸筋を中心に、肩・腕・背中といった大きな筋肉を同時に動かすため、全体的な代謝アップにもつながります。
ベンチプレスや腕立て伏せは、胸・肩・腕・背中・体幹など複数の筋肉を同時に使う「コンパウンド種目(多関節運動)」です。
このような種目は一度に多くの筋肉を鍛えることができるため、以下のような効果が期待できます。
- トレーニング効率が良い
- 消費カロリーが高い
- 基礎代謝が上がりやすい
特に代謝アップは「痩せやすい体作り」の基本となるので、二の腕痩せにもつながってきます。
関連記事:【プロ直伝】腕立ての正しいやり方とフォームについて解説
ケーブルトライセプスエクステンション(オーバーヘッドタイプ)
ケーブルトライセプスエクステンションは、ケーブルマシンを使って上腕三頭筋を集中的に鍛える種目です。
ケーブルの特性(常に一定の負荷がかかる)により、筋肉に継続的な刺激が与えられるため、筋トレ初心者〜中級者まで幅広く効果を実感しやすいのが特徴です。

- ケーブルマシンにロープをセットして、プーリー(滑車)は真ん中もしくは下部に設定します。
- ロープを両手で持ち、背をマシンに向けて一歩前に立ちます。このとき、背筋はまっすぐで少し前傾姿勢を取ります。
- 両手を頭の後ろにセットし、肘を固定したら、上腕は耳の横あたりにキープ(開きすぎ注意)してください。
- 肘を伸ばしながら、ロープを前方へ押し上げます。セットした肘の位置のまま、肘下だけを動かします。
- ゆっくりと元の位置に戻します。
- 10〜15回 を2〜3セット行います。
動作中は肘を開きすぎないように注意しましょう。肘が外に広がってしまうと、三頭筋への負荷が分散され、十分な刺激を与えにくくなってしまいます。肘は耳の横に固定し、できるだけ動かさないことを意識してください。
また、肩や背中に無駄な力が入らないようにして、フォームを崩さず、反動を使わないように、動作は常にゆっくりと丁寧に行いましょう。
ケーブルがない場合は、ダンベルで代用することも可能です。ダンベルは応用の効きやすいアイテムで、自宅の筋トレに取り入れやすく、ジムにも必ず置いてあるので上手に活用しましょう。
プッシュダウン
プッシュダウン(ケーブルプレスダウン)は、ジムでできる代表的な上腕三頭筋トレーニングです。フォームが安定しやすく、初心者にもおすすめです。

- ケーブルマシンのバーを高い位置に設定したら、オーバーグリップでロープを肩幅程度で握ります。
- 肘を体の横につけたまま、バーを下に押し下げます
- 肘を伸ばし切ったところで一瞬キープし、ゆっくり戻してください。
- 10〜15回×3セットを目安に行います。
反動を使わず、三頭筋にしっかり効かせるように動作をコントロールしましょう。
肘を伸ばし切るところまでしっかり押し出し、戻すときも中途半端にならず、筋肉の伸び縮みをフルに感じるように動かすことがポイントです。
リバースプランク
背中や体幹を鍛えるエクササイズで、特に背中、腰、腹筋、肩を効果的に強化します。

- 床に仰向けに寝転がり、肘を肩の下に置きます。両肘と前腕を床につけて、体を支える準備をします。
- ふっと腰を持ち上げ、浮かせるようなイメージで維持します。腰を反りすぎないように注意し、お腹にしっかりと力を入れましょう。
- この姿勢を30秒〜1分間キープします。余裕があれば、時間を徐々に増やしていきます。
- ゆっくりと腰を下ろし、リラックスします。
二の腕痩せを目指すなら、実は背中のトレーニングも重要です。背中には、姿勢を保つうえで重要な筋肉が多くあり、背中の筋トレをすることで背筋が自然と伸びます。
これにより、猫背や巻き肩が改善され、正しい姿勢がラクに保てるようになります。腕まわりの血流も良くなり、代謝アップやむくみ解消にもつながります。
関連記事:自宅でできる背中の筋トレ!コツと注意点について解説
まとめ
二の腕が痩せない原因は、単に脂肪が多いからではなく、筋肉の使い方に問題があることがほとんどです。
特に「後ろに引く動き」が不足していると、上腕三頭筋が使われず、脂肪がつきやすくなってしまいます。
また、猫背や巻き肩、日常生活でのクセも筋肉の働きを妨げる要因になります。
正しい筋肉の使い方と継続的なトレーニングで、スッキリと引き締まった理想の二の腕を手に入れましょう!