ダンベルを使ったトレーニングは、初心者から上級者まで手軽に取り入れられる方法です。
正しいメニューを実践することで、全身を効果的に鍛えられるだけでなく、筋肉のバランスを整えることも可能です。
本記事では、週3回の理想的なトレーニングプランと効率を最大化するためのポイントを解説します。
ダンベルを使ったトレーニングを日々のルーティンに取り入れ、理想の体を目指しましょう。
理想のトレーニングメニュー
トレーニングは、月・水・金など、週3回行うことが理想です。
筋肉にはトレーニング後に回復する時間(超回復)が必要であり、これを考慮することで効率よく筋力を向上させられます。
また、3日のうちそれぞれのトレーニングを、上半身・下半身・全身のようにメニューを分けて行うと効果的です。
このように、部位ごとにメニューを分けることで、筋肉の負担を分散させながら効率的に鍛えることが可能になります。
また、週2日同じ部位を鍛えることで効果的なトレーニングが行えます。超回復を十分に活用でき、怪我のリスクを減らしながら効果を最大化できます。
週3日のトレーニングが難しい場合、ベンチとスクワットを別日に行い、週2日はトレーニングをすることがおすすめです。
週1日 上半身を中心にトレーニングする
上半身を鍛えるために、ベンチプレスメインのトレーニングを週1回行うのが理想です。
初心者の方は、まずは3キロ程度のダンベルを準備するのがおすすめです。また、ダンベルの準備が難しい場合は、腕立て伏せで代用してもかまいません。
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フロアダンベルプレス(胸)
- 床に仰向けになり、背中をまっすぐ保ちます。腰を反りにくくするために、膝を曲げて足の裏を床につけます。
- ダンベルを両手で持ち、手のひらを前に向けて構えます。ダンベルを胸の上方で支えながら、腕を肩幅程度に広げます。
- ゆっくりと肘を曲げながら、ダンベルを胸の横に下ろしていきます。肘が床につく位置まで下ろしますが、勢いをつけて床にぶつけないよう注意してください。
- 胸を張り、肩が床に沈み込まないように意識します。
- 15回~20回を目安に3セット行います。
肘が床に付いたとき、床と垂直に手首が来るようにしましょう。内側や外側に傾かないように注意してください。
可動域が少ないと感じられるかもしれませんが、初心者の方であればおすすめのトレーニングです。
ダンベルベントオーバーロウ(背中)
ダンベルベントオーバーロウは、背中全体(広背筋や僧帽筋)、肩の後部、さらに腕の筋肉(上腕二頭筋)を鍛えるエクササイズです。
フォームを意識して行うことで効果を最大化し、怪我を防ぐことができます。
- 両手にダンベルを持ち、足を肩幅程度に開いて立ちます。膝を軽く曲げ、股関節を曲げて上半身を前傾させます。
- 背中をまっすぐに保ち、視線はやや前方に向けます。上体の角度は地面と約45度が目安です。
- 両腕を自然に垂らした状態から、肘を後方に引きながらダンベルを持ち上げます。
- 肩甲骨を寄せるような意識で動作を行い、ダンベルを腰に近い位置まで引き上げます。肘は体側を通るように動かしましょう。
- 10回~15回を目安に3セット行います。
背中を丸めないようにし、腰に負担がかからないよう注意してください。
重量を無理に増やさず、フォームを優先して動作を行いましょう。
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ダンベルショルダープレス
ダンベルショルダープレスは、肩(主に三角筋)を重点的に鍛えるトレーニングで、二の腕や体幹の安定にも効果があります。
自宅でも取り組みやすいエクササイズであり、バランス感覚を養うのにも役立ちます。
- 両手にダンベルを持ち、肩の高さで構えます。手のひらは正面を向けても、自分側(ニュートラルグリップ)でも構いません。
- 足を肩幅程度に開き、安定した姿勢を取ります。背筋をまっすぐ伸ばし、胸を張ります。
- 肩と腕を使って、ダンベルを頭上に向かって押し上げます。
- 10回~15回を目安に3セット行います。
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週1日 下半身を中心にトレーニングする
下半身には全身の筋肉の約60~70%の筋肉があり、下半身を鍛えることでトレーニングに組み込むことで基礎代謝の向上などが期待できます。
自重でもかまいませんが、余裕があればダンベルを使い負荷をあげてみましょう。
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スクワット
まずは、基本のスクワットを行います。もしあれば、椅子を使ってトレーニングしましょう。
- 足を肩幅に開いて立ち、つま先は正面ではなく少し外側に向けます。
- 胸をしっかり張って、ダンベルは鎖骨の下あたりの高さで固定します。
- この状態から、股関節を先に曲げてから膝を曲げていき、椅子に軽くお尻が触れたら立ち上がります。
- 足の裏全体で踏ん張って、立ち上がります。膝が痛くなければ、真っすぐ立つところまで戻って大丈夫です。
- 15回~20回を目安に3セット行います。
ポイントは、お尻を椅子の高さまで下げたとき、つま先より膝が前に出ないようにすることです。
また膝が内側に入ってしまったり、外を向きすぎたりしないように注意してください。上体を丸めずに、胸をしっかり張って正面をみて行います。
筋力が足りない方は、③のときに完全に座ってしまっても大丈夫です。そこから立ち上がって、座って、を繰り返してください。
慣れてきたら座らずに、お尻が触れたら立ち上がるようにしていきましょう。
ワイドスクワット
ワイドスクワットは、内もも(内転筋)やお尻(大臀筋)を重点的に鍛える種目です。
通常のスクワットよりも足幅を広げて行うのが特徴で、特に下半身の引き締めに効果的です。
- 足を肩幅よりも広めに開き、つま先をやや外側に向けます。通常のスクワットをするときの2倍の足幅、つま先も2倍ほど外側に広げるイメージです。
- 正面を向いて、ダンベルは縦にして、肩側の上部分をしっかり持ちます。
- 姿勢を真っすぐに保ちながら、股関節を先に曲げてから膝を曲げていき、ゆっくりと体を下ろします。
- 足の裏全体で踏ん張って、立ち上がります。
- 10回~15回を目安に3セット行います。
ワイドスクワットは通常のスクワットと違い、前傾になりづらいため腰を痛めにくいトレーニングです。
ブルガリアンスクワット
上級者の方であれば、ブルガリアンスクワットがおすすめです。
- ダンベルを両手に持ち、身体の横で真下に向けて立ちます。
- 椅子に足を乗せる前に、まずは立ち位置を決めます。一度腰かけて左足を伸ばしたら、その伸ばした足の位置がスタート位置になります。
- そのまま立ち上がって、右足は後ろに乗せましょう。足の甲が乗るくらいの位置に乗せてください。
- 正面を向いて、股関節からぐーっとしゃがみます。
- 腿が床と平行になるまでしゃがんだら、もとの位置に戻ります。身体が前のめりにならないよう注意してください。
- 10回~15回を目安に3セット行います。
週1日 全身をまんべんなくトレーニングする
週3回のうち、1日は全身のトレーニングを行います。
理想は、上半身のトレーニングと下半身のトレーニングをそれぞれ3セットずつ行った上で、腹筋をプラスして、1週間で全身をしっかり鍛えることです。
しかし、どうしても3セットだと時間がかかってしまうため、それぞれのセット数を減らしてもかまいません。
トレーニングの順番は、上半身を全種目行ってから下半身を全種目行うのでも構いませんが、上半身→下半身→上半身→下半身と順に行うことで、疲労を分散させてもいいでしょう。
トレーニングメニューの効率をあげるポイント
自宅でトレーニングを行う際の基本的なポイントは以下の5つですが、それに加えて今回のトレーニングメニューの効果を高めるためのポイントについて本章で解説します。
拮抗筋スーパーセットをトレーニングに組み込む
拮抗筋スーパーセットとは、相反する働きを持つ筋群を鍛えるトレーニング方法です。
例えば、上腕二頭筋(表)と上腕三頭筋(裏)、または胸筋(表)と背筋(裏)を休みなく順番にトレーニングすることを指します。
上腕二頭筋と上腕三頭筋は全く逆の作用を持っており、片側が主働筋として働く動作の時は、もう片側が主働筋の過剰収縮を防ぐためにブレーキ機能の役割を果たしています。
上腕二頭筋をトレーニングすることで疲労がたまり、上腕三頭筋を鍛える際のブレーキ機能が弱まります。このブレーキ機能を弱めることで、上腕三頭筋を鍛える際のトレーニング効率を上げる原理が、スーパーセット法の基本理論なのです。
なので、上腕二頭筋をより鍛えたい場合は、上腕三頭筋からトレーニングを行いブレーキ機能を弱めた上で上腕二頭筋のトレーニングを行うといいでしょう。
腹筋種目は最後する
トレーニングに腹筋種目を混ぜてもかまいませんが、最後に行ってください。
腹筋、特に腹直筋や腹斜筋は、体幹の安定性を保つ役割があるため、上半身種目、下半身種目のいずれでも多少なりとも負荷がかかります。
先に腹筋に負荷をかけてしまうと、上半身種目、下半身種目のフォームが崩れて効果が落ちたり、怪我のリスクが高まります。
狙っている筋肉を効果的に鍛えるために、腹筋のトレーニングは最後に行うようにしましょう。
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適切な回数と重さでトレーニングする
トレーニングの効果は、回数×重さで決まるとされています。
あまりに重いダンベルを使用し回数を減らしたり、その逆を行うとフォームが崩れたり、怪我のリスクも上がってしまい有効とはいえません。
基本は、種目ごとに1セット10~20回×3セット行いようにしましょう。
また、トレーニング間のインターバルを1分などと決める方法も流行りましたが、呼吸が整うまでしっかり休憩を取って行ってください。呼吸が整うまで3分程度を目安に休んでかまいません。
まとめ
ダンベルを使った週3回のトレーニングは、以下の内容が理想です。
- 週1日 上半身を中心にトレーニングする(胸や肩、腕、背中のトレーニング)
- 週1日 下半身を中心にトレーニングする(脚や臀部のトレーニング)
- 週1日 全身をまんべんなくトレーニングする(ベンチ・スクワットを入れたトレーニング)
ダンベルトレーニングはご自宅でも取り入れやすい反面、正しいフォームやご自身の疲労を考慮しないと怪我の原因となってしまいます。
正しいスタートポジションと適切なトレーニング量で、効果的なトレーニングを実現しましょう。