背中の筋肉は、体の姿勢や動きに大きな影響を与える重要な筋群であり、鍛えることで姿勢の改善や基礎代謝の向上、美しい体型作りに役立ちます。
この記事では、器具を使わず自宅でできる背中の筋トレ方法や、効果を最大限に引き出すための注意点を紹介します。
初心者から上級者まで、どんなレベルでも取り組めるトレーニングメニューを提案しているので、自宅で簡単に背中を鍛えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
背中を鍛えるメリット
姿勢改善と腰痛予防に効果的
背中の筋肉、特に広背筋や脊柱起立筋を鍛えると、姿勢が良くなります。
現代社会では、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による姿勢の悪化が一般的です。
これが原因で腰痛や肩こりに悩む人も多いですが、背中の筋肉を強化することで、これらの症状を軽減し、身体全体のバランスが整います。
背筋が強化されることで自然に胸が開き、猫背の改善にもつながります。
また、肩のトレーニングとも相性がいいので、組み合わせてより高い効果を得ることができます。
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基礎代謝アップで脂肪燃焼を促進
背中の大きな筋肉を鍛えると、基礎代謝が上がり、日常生活でのエネルギー消費が増加します。
特に広背筋や僧帽筋を強化することで、全身の代謝が活性化され、脂肪燃焼が進みやすくなります。
自宅でのトレーニングでも十分に基礎代謝を高め、無理なく脂肪を燃やすことが可能です。
スクワットも同様に基礎代謝をアップしてくれるので、一緒に鍛えることで相乗効果が見込めます。
大きな筋肉を鍛えることは、体重管理やダイエットにおいても重要です。
美しい後ろ姿を作る
背中の筋肉を鍛えることで、逆三角形のメリハリのある上半身を作り出せます。
広背筋や僧帽筋が発達することで、肩幅が広く見え、ウエストが引き締まった印象を与えるため、美しい後ろ姿を目指す方に特におすすめです。
ウエストの引き締めと同時に行うと、引き締まったプロポーションやウエストの細さ、そして健康的な体型を実現でき、外見的にも自信を高める要素が多く含まれています。
また、背中を鍛えることで、上半身全体のバランスが整い、他のトレーニングの効果も向上します。
自宅でできる背中の筋トレメニュー
自宅で筋トレを効果的に行うためには、正しいスタートポジションを取ることが重要です。
さらに、体調やストレスを管理し、トレーニングの効果を最大限に引き出すことが大切です。
初心者の場合、最適なトレーニングを行えていない場合がほとんどです。
正しいトレーニングを選び、正しいフォームで適切に負荷をかけるのは難しく、怪我のリスクも高まります。トレーニングの効果を最大化するためには、パーソナルトレーニングの検討をおすすめします。
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以下は、自宅でも簡単にトライできる効果的な筋トレメニューになります。
バックエクステンション
背中全体を鍛える基本的なエクササイズです。特に脊柱起立筋を鍛えるのに効果的です。
- 床にうつ伏せになり、両手を頭の後ろに添えます。
- 胸を床から持ち上げるようにして、背中の筋肉を収縮させます。
- ゆっくりと元の位置に戻します。
- 10〜15回を2〜3セット行います。
バックエクステンションは、負荷の調整がしやすく、特別な器具も必要ないため、筋トレ初心者にも非常に向いています。
動作がシンプルであり、特にフォームに気をつけることで、背中や腰を安全に鍛えることができます。
筋力が十分でない場合は、動作の範囲を小さくしながら徐々に強度を上げていきましょう。
リバースプランク
背中や体幹を鍛えるエクササイズで、特に背中、腰、腹筋、肩を効果的に強化します。手を伸ばすリバースプランクよりも肘に体重を乗せるため、負荷が少し軽減され、初心者でも行いやすいバリエーションです。
- 床に仰向けに寝転がり、肘を肩の下に置きます。両肘と前腕を床につけて、体を支える準備をします。
- ふっと腰を持ち上げ、浮かせるようなイメージで維持します。腰を反りすぎないように注意し、お腹にしっかりと力を入れましょう。
- この姿勢を30秒〜1分間キープします。余裕があれば、時間を徐々に増やしていきます。
- ゆっくりと腰を下ろし、リラックスします。
腰が反ったり肩が丸まったりしないように注意しましょう。
腹筋と背中の筋肉を使って、体を安定させます。
肘をついたリバースプランクは、体幹を鍛えながら、背中や腰の筋肉にもアプローチする優れたエクササイズです。
器具を使っ背中の筋トレメニュー
ラップルダウン
広背筋を中心とした背中の筋肉を鍛えるためのマシンエクササイズです。特にジムで行われることが多く、上背部の筋肉の強化に効果的です。
- マシンのシートに座り、太ももの上にパッドがしっかりと固定されるように調整して、太ももが浮かないように座ります。
- つま先は踏ん張れるように自然な向きで、少し外側を向いても大丈夫です。つま先の向きを極端に内向きや外側にしてしまわないように注意しましょう。
- 座る際に骨盤を立てた姿勢を取ってから、オーバーハンドグリップ(手のひらを前に向けた握り方)で、バーの外側を持ちます。
- 手の力を使わないようにするため、親指は人差し指の隣に置きます。胸を張って、少しだけ後ろに体を傾けた状態になります。ここがスタートポジションになります。
- 息を吐きながら、バーを胸の上部に向かってふっと引き下ろします。この時、肩甲骨を寄せることを意識し、腕ではなく背中の筋肉を使って動作を行います。
- 息を吸いながら、ゆっくりと元の位置にバーを戻します。背中の筋肉がしっかりと伸びていることを確認します。バーを戻す際に反動を使わないように注意しましょう。
- 初心者の場合、10〜12回を2〜3セット行うのが目安です。
バーの中心と鎖骨の中心を合わせるようなイメージで行います。
肘に意識がいきがちですが、そうすると背中に十分な刺激を与えられなくなります。特に重量が重すぎると腕の力に頼ってしまうので、筋力に応じて重量を調整してください。
肩幅より狭く握ると、上腕二頭筋の関与が強くなりますが、広背筋をメインに鍛えるには広めの握りが適しています。
デッドリフト
デッドリフトは、全身の筋肉を効果的に鍛える基本的なコンパウンドエクササイズの一つです。
主にハムストリングス、大殿筋、背中、そして体幹の筋肉を鍛えることができ、筋力と持久力の向上に役立ちます。
- 足を肩幅に開いて立ち、つま先は正面ではなく少し外側に向けます。バーの下に、足の親指の付け根が来るあたりの位置に立ちます。
- 足のすぐ外側の位置でバーを持ちます。オーバーハンドグリップ(両手のひらを自分に向ける)で、正面を向き、軽く胸を張ります。このとき、肩よりもお尻が下にある状態が正しい姿勢です。ここがスタートポジションになります。
- 胸を張り、体幹をしっかり締めた状態で、息を吐きながらバーを持ち上げます。必ずバーを体に沿わせるように引き上げ、足で押し上げましょう。膝が伸び、体がまっすぐ立つまで持ち上げます。
- 立ち上がったら、肩甲骨を寄せるようにして胸を張り、背中をしっかりと伸ばします。腰を過度に反らさないように注意します。
- 持ち上げた動作を逆に行い、股関節から曲げてお尻を後ろに引きながらバーをゆっくり下ろします。このときも背中を丸めないように注意し、バーが膝下まで来たらまた持ち上げていきます。
- 動作をリズミカルに繰り返し、筋肉に適切な負荷を与えましょう。
戻ってくる際に、お尻やもも裏にストレッチがかかっているのを感じながら行います。
そのため、デッドリフトは下ろす動作をゆっくり行い、背中への負荷とお尻やもも裏への伸びをイメージするのがポイントです。
バーが身体から離れてしまうと腰への負担になってしまうので、身体に沿って動かしてください。
背中の筋トレを行う際の注意点
背中を鍛えるトレーニングは、自宅で簡単に行えるものが多いですが、正しい方法で行わないと効果が半減したり、ケガをするリスクが高まります。
ここでは、背中の筋トレを安全かつ効果的に行うための注意点を紹介します。
過度な負荷をかけない
自宅で行うトレーニングでは、器具を使わないか、軽めの負荷をかけるトレーニングが中心となります。
特に初めての方やトレーニング経験が浅い方は、無理に負荷をかけず、自分の体力に合った運動を選ぶことが大切です。
例えば、タオルやチューブを使ったエクササイズは、体への負担をコントロールしやすく、初心者でも取り組みやすい方法です。
過度な負荷を避け、少しずつ強度を上げていくことで、効果的に背中を鍛えられます。
フォームを意識する
背中の筋トレでは、正しいフォームが非常に重要です。
正しいフォームを保つことで、背中の筋肉を効果的に刺激し、怪我を防ぐことができます。
例えば、タオルローイングやバックエクステンションを行う際には、肩を下げて胸を張り、背中の筋肉に意識を集中させることがポイントです。
フォームが崩れると、肩や腰に負担がかかり、思わぬトラブルを引き起こすことがありますので、注意しましょう。
急激な動作を避ける
筋トレ中に急激な動きをすると、筋肉や関節に余計な負荷がかかり、怪我をするリスクが高まります。
背中のトレーニングでは、特に動作をゆっくりと行い、反動を使わないことが大切です。
例えば、チンニング(懸垂)やタオルローイングの際には、筋肉をしっかりとコントロールし、動きをゆっくりと行うことで、背中の筋肉に効果的な刺激を与えられます。
動作を丁寧に行うことで、トレーニングの効果を最大限に引き出すことができます。
まとめ
背中の筋トレでおすすめのメニューは以下のとおりです。
- 自宅|バックエクステンション
- 自宅|リバースプランク
- 器具|ラップルダウン
- 器具|デッドリフト
背中の筋トレを行う際の注意点は以下のとおりです。
- 過度な負荷をかけない
- フォームを意識する
- 急激な動作を避ける
ジムでのトレーニングだけでなく、ご自宅での継続的なトレーニングも重要です。