自宅で手軽に取り組める腹筋ですが、誤ったフォームで行うと効果が十分に得られず、ケガのリスクも高まります。
腕立て伏せと同じように人気のあるトレーニング部位なのですが、やみくもに行うのはおすすめしません。
そこで今回は、効果をしっかりと引き出すための正しい腹筋の方法をお伝えします。
【筋トレ】腹筋の効果
腹筋エクササイズは様々ありますが、腹筋を鍛えることで以下のような効果が期待できます。
- 内臓の正しい位置を維持する
- 基礎代謝が上がる
- 姿勢がきれいになる
- 便通改善につながる
- 体温をキープする働きが強くなる
- 肩こりや腰痛に良い効果が期待できる
- ウエストが引き締まり、体重が落ちて痩せるダイエット効果がある
腹筋は腹直筋、腹斜筋、腹横筋に分けられ、部位ごとに異なる役割があります。
たとえば、腹横筋は腹部をコルセットのように支え、腹圧を上げることができ、スムーズな排便に役立ちます。
また、腰椎に安定性を提供する働きがあり、腰痛の予防・軽減のほか、腕や脚を効率良く動かせるようになりスポーツパフォーマンスの向上につながります。
正しい腹筋のやり方
腹筋というと、仰向けになって膝を立てた状態から、上体を起こして行う筋トレをイメージするかと思います。
この腹筋は腰を痛める方も多く、ご自宅でやる筋トレとしてあまりおすすめできません。
また背中が硬い場合、背中を丸めることができないため、腹筋は1回もできないです、という方もいらっしゃいます。
そのため、これから腹筋を鍛えていきたいという方には以下のトレーニングをおすすめしています。
- 仰向けで足を上げる
- 仰向けで足を左右に振る
それぞれのやり方について解説します。
初心者向け①仰向けで足を上げる
- 仰向けになり両手は体の横に置いて、足を真っすぐに伸ばします。
- 膝を曲げながら、両膝を胸のほうに持っていきます。
- かかとで円を描くようにして、足をゆっくり伸ばしていきます。
- 地面に軽くとんっと着いたら、今度はかかとで円を描きながら両膝を胸のあたりに戻します。
- 20回を1セットとして、3~5セット行います。
このトレーニングでは、下腹部を中心に鍛えていきます。
腰のあたりに隙間を作ると腰に負荷がかかってしまうため、隙間をしっかり潰した状態で行いましょう。
ステップアップ
慣れてきたら、以下のトレーニングにトライしてみましょう。
- 仰向けになり両手は体の横に置いて、足を真っすぐに伸ばします。
- 足をゆっくりと50度くらいまで持ち上げます。
- 地面に軽くとんっと着いたら、また50度あたりまで足を持ち上げます。
- 20回を1セットとして、3~5セット行います。
初心者向け②仰向けで足を左右に振る
- 仰向けになり、両手は真横に伸ばしておきます。
- 股関節、膝、足首をすべて90度に曲げます。
- その状態のまま、膝を真横に倒します。目線は膝を反対方向に向けてください。
- 筋肉が伸びているのを感じたら、元の位置に戻ります。
- 今度は、同じように反対側も行います。
- 20回を1セットとして、3~5セット行います。
ステップアップ
このトレーニングが楽だな、と感じる場合には負荷を増やしてみましょう。
股関節は90度のまま、膝を伸ばした状態で行います。膝は真っすぐに伸ばさなくても、軽く曲がった状態でOKです。
重心が身体の遠くにかかるので、より負荷がかかるようになります。
器具を使った腹筋のやり方
腹筋群の中でも深層に位置する腹横筋や内腹斜筋を鍛える筋トレです。
ストレッチポールを使った効果的なトレーニングをお教えします。
- ストレッチポールから頭が出ないように、仰向けに乗ります。
- 膝は90度、足先は真っすぐもしくは少し開いている状態からスタートします。
- 前ならえをして、両手を真横にパタンパタンと閉じたり開いたりします。
- これを20回行います。
身体がストレッチポールの上でグラグラしないように気を付けましょう。
楽にできるという方は、目をつぶって行うとさらに効果的です。
ステップアップ
物足りないという方は、片足をあげて行いましょう。かかとが地面に対して水平になるくらいで大丈夫です。
20回を片足ずつ交互にトレーニングします。
片方は出来たが、片方は苦手だったりする場合もあるので、無理せず行いましょう。
こちらも楽だなと感じる方は、目を閉じてやってみてください。
腹筋のよくあるNG例・注意点
腹筋トレーニングを行う際の、よくある間違いや注意点があります。
これらのポイントを理解し、正しいフォームで取り組むことが、効果的なトレーニングとケガの予防につながります。
腰が浮いてしまう
腹筋運動を行う際に、腰がマットや床から浮いてしまうのは一般的なNG例です。
腰が浮くことで腹筋への負荷が逃げてしまい、腰に過剰な負担がかかります。
これが続くと、腰痛の原因になることも。
正しいフォームでは、腰を床につけたまま動作を行い、腹筋をしっかりと使いましょう。
特にクランチやレッグレイズの際には、意識して腰を固定することが重要です。
首だけあがってしまう
腹筋を行うとき、首だけを上げてしまうこともよくある間違いです。
これでは、首や肩に力が入りすぎて、腹筋がしっかり使われません。
正しいフォームでは、頭を手で支えすぎず、胸から上体を丸めるように上げます。
目線はおへそあたりに向け、首に負担をかけないようにしましょう。
腹筋の力で上半身を持ち上げる感覚を意識することがポイントです。
呼吸を止めてしまう
腹筋運動中に呼吸を止めてしまうのもよくあるミスです。
呼吸を止めると体に余計な緊張が生まれ、効果が半減するばかりか、血圧が上がりやすくなります。
動作に合わせて呼吸を意識することが大切です。
腹筋を縮める際には息を吐き、戻すときに息を吸うようにしましょう。
このリズムを守ることで、より効率的に腹筋に負荷をかけることができます。
腹筋は効率的なサーキットトレーニングがおすすめ
すべてのトレーニングで腰が浮かないように、しっかりと隙間を埋めて行いましょう。
第1種目|ニーレイズ
- 仰向けになり両手は体の横に置いて、足を真っすぐに伸ばします。
- 膝を曲げながら、両膝を胸のほうに持っていきます。
- かかとで円を描くようにして、足をゆっくり伸ばしていきます。
- 地面に軽くとんっと着いたら、今度はかかとで円を描きながら両膝を胸のあたりに戻します。
- 20回を1セットとして、3~5セット行います。
このトレーニングでは、下腹部を中心に鍛えていきます。
腰のあたりに隙間を作ると腰に負荷がかかってしまうため、隙間をしっかり潰した状態で行いましょう。
第2種目|バイシクルレッグレイズ
- 仰向けに寝て、両手は両胸の前に軽く置きます。
- 片方の膝を胸に向けて引き寄せながら、反対側の脚をまっすぐ伸ばして床に近づけます。足の位置は地面と平行になるようにしましょう。
- 動作を交互に行い、自転車を漕いでいるような動きをします。
- 左右交互に脚を動かしながら、20〜30回を1セットとして繰り返します。
背中がしっかりと床に接するように意識してください。
慣れてきたらセット数を増やすか、動きをゆっくり行って負荷を上げましょう。
第3種目|ツイストレッグレイズ(両膝曲げ)
- 仰向けになり、両手は真横に伸ばしておきます。
- 股関節、膝、足首をすべて90度に曲げます。
- その状態のまま、膝を真横に倒します。目線は膝を反対方向に向けてください。
- 筋肉が伸びているのを感じたら、元の位置に戻ります。
- 今度は、同じように反対側も行います。
- 20回を1セットとして、3~5セット行います。
第4種目|ツイストレッグレイズ(両足真っすぐ)
基本は第3種目と同じです。
第4種目では、股関節は90度のまま、膝を伸ばした状態で行います。
膝は真っすぐに伸ばさなくても、軽く曲がった状態でOKです。
重心が身体の遠くにかかるので、より負荷がかかるようになります。
第5種目|足上げ腹筋クロス
- 仰向けに寝て、両手は両胸の前に軽く置きます。
- 両脚をまっすぐ伸ばし、足先は真上に向けて、足首は90度にします。
- この状態で、床から少し浮かせたら、足を開きます。閉じるときに両足首をクロスさせます。
- また足を開いて、閉じるときにクロスする足首は先ほどと上下逆にします。
- 左右交互に脚を動かしながら、20〜30回を1セットとして繰り返します。
このトレーニングでは、内転筋や大殿筋(内ももやお尻)も少し使います。
動作の間、頭が浮かないようにしてください。
足を開いたときに、つま先が開いてしまわないように注意しましょう。常につま先が真上を向いた状態を心がけてください。
第6種目|レッグレイズ
- 仰向けになり両手は体の横に置いて、足を真っすぐに伸ばします。
- 足をゆっくりと50度くらいまで持ち上げます。
- 地面に軽くとんっと着いたら、また50度あたりまで足を持ち上げます。
- 20回を1セットとして、3~5セット行います。
なるべく足は真っすぐになるように行ってください。
上級者向けサーキット
これまで紹介したトレーニングをひととおりこなせるようになったら、サーキットを行う際に休憩の感覚を短くしたり、長めに行ったりと負荷を調整していきます。
さらに強度を上げたトレーニングとして、以下の筋トレもおすすめです。
ステップアップ
- 仰向けになり両手は体の横に置いて、足を曲げた状態でスタンバイします。すこしお尻が浮いた状態で行います。
- 足の反動を使ってお尻を少し上げ、上に向かってかかとから足をぐっと持ち上げます。
- 降りるときにストンっと降りてしまわずに、すこしコントロールして降りるようにしましょう。
特に下腹部やヒップを鍛えるのに効果的なエクササイズです。
シンプルな動きながらも、体幹を強化しつつヒップアップや脚の引き締めにも役立ちます。以
まとめ
これから腹筋を鍛え始める方におすすめの筋トレは以下のとおりです。
- 仰向けで足を上げる
- 仰向けで足を上げる
- ストレッチポールを使って鍛える
おすすめのサーキットトレーニングは以下のとおりです。
- 第1種目|ニーレイズ
- 第2種目|バイシクルレッグレイズ
- 第3種目|ツイストレッグレイズ(両膝曲げ)
- 第4種目|ツイストレッグレイズ(両足真っすぐ)
- 第5種目|足上げ腹筋クロス
- 第6種目|レッグレイズ
腹筋はお腹周りを鍛えたい方には魅力的なトレーニングですが、誤った方法で行うと首や腰を痛めてしまう可能性があります。
正しいトレーニングを行い、着実に理想のボディを目指しましょう。