「自宅で筋トレを始めたいけど、効果的にトレーニングする方法が知りたい。」と思っている方は多いのではないでしょうか?
本記事では、自宅でできる筋トレの効果を上げるポイントについてわかりやすく解説します。
自宅の筋トレで重要なポイント
自宅で筋トレを行う際には、次の5つのポイントを押さえることが肝心です。
- 正しいスタートポジションから始める
- マインドマッスルコネクションを活用する
- 単関節運動を激しく行わない
- 呼吸を意識しすぎない
- 体調管理やストレスのコントロールを意識する
正しいスタートポジションから始める
自宅で筋トレを行う際、まず重視すべきはスタートポジション(トレーニング開始時のフォーム)です。
正しいフォームでトレーニングを始めることで、筋肉への負荷を最大化し、怪我を防ぐことができます。
一方で、スタートポジションが崩れると、狙った筋肉への負荷が弱まったり、狙っていない筋肉にまで影響を与える場合があります。
例として、腕立て伏せの正しいスタートポジションは次の通りです。
- 手は肩幅程度の広さに開き、肩の真下に置く
- 指先は身体に対して並行でなく、20°程度内側に向ける
- 肩をすくめないようにし、首を長く伸ばし、胸を張る
- 腰が浮かないように下腹に力を入れる
上記のスタートポジションを意識すると、上腕骨が体と60°の角度になるように自然と肘が曲げられます。このように正しいスタートポジションをとるだけでトレーニング効果が各段に上がります。
自宅では、鏡を使ったり、スマートフォンで自分の動きを録画して後でチェックするなどしてスタートポジションを確認しましょう。
マインドマッスルコネクションを活用する
マインドマッスルコネクションとは、筋肉と意識をリンクさせることで、トレーニングの効果を上げる方法です。
負荷をかける筋肉を意識することで、その筋肉の活動が増加させることができ、より効率的にターゲット筋肉を鍛えることができます。
マインドマッスルコネクションの有効性は、Snyder, B. J., & Fry, A. C. (2012)の研究で実証されています。
本研究では、ベンチプレス運動中における筋活動に対する言葉による指示の効果を調査しました。結果として、胸筋を意識するように指示された被験者が、指示を受けていない被験者と比較して胸筋の活動を増加させることができたことが示されています。
このようにどこの筋肉を鍛えるのか意識しながらトレーニングを行うだけで効果を高めることができます。
単関節運動を激しく行わない
単関節運動とは、一つの関節を中心に動作が行われ、特定の筋肉を集中して鍛えるために有効なトレーニングです。アイソレーションエクササイズとも呼ばれます。
- ダンベルを使って肘を曲げ伸ばしするアームカール
- 膝関節だけが動くレッグエクステンション
単関節運動は狙ったところに筋肉が付けられる一方で、一定の場所にだけ筋肉がつきやすくなります。その結果、身体のバランスが崩れてしまったり、過度に負荷がかかり怪我のリスクも高まります。
自宅でトレーニングをする際には、全体的な筋力や体力の向上に有効な多関節運動(コンパウンドエクササイズ)を中心にすることが推奨されます。
多関節運動をメニューの中心にして、足りない部分を単関節運動で補うようにメニューを組むと良いでしょう。
呼吸を意識しすぎない
「呼吸を意識して筋トレしましょう」と聞いたことがあるかもしれません。しかし、意識しすぎるのは有効ではありません。
呼吸法においては、「こうすべき」ではなく、「これをしてはいけない」に気をつける方が重要です。
筋トレの呼吸法で唯一重要なのは、呼吸を止めないことです。負荷をかけるトレーニング中に息を止めると、血圧が上昇し非常に危険です。
呼吸法を意識しすぎる必要はないので、自然に呼吸することを心がけましょう。
呼吸を意識するなら、負荷をかける筋肉を意識してマインドマッスルコネクションを狙おう!
体調管理やストレスのコントロールを意識する
体調が良好な状態で行うトレーニングは、筋肉の成長やパフォーマンス向上に効果的です。しかし、体調が悪いときやストレスの多い状況下ではトレーニング効果が著しく低下します。
体調がトレーニングの効果に与える影響は多くの研究で示されています。例えば、Margaritis et al. (2003)は、免疫機能が低下した状態でのトレーニングが筋肉の修復と成長に悪影響を及ぼすことを示しました。
また、Simpson et al. (2020)の研究では、十分な睡眠がトレーニングの効果を高めることが確認されています。睡眠不足は筋肉の回復を妨げ、筋力向上や筋肥大の効果を低下させます。
ストレスもトレーニングの効果に大きな影響を与えます。Peters et al. (1998)によれば、心理的ストレスが高い状態では、コルチゾールというストレスホルモンが増加し、筋肉の分解が促進されます。
また、Moraska et al. (2000)は、快適な環境で行うトレーニングがパフォーマンスと回復に有利であることを示しています。
体調や状況はトレーニングの効果に大きな影響を与えるため、最適な成果を得るためには体調管理やストレスのコントロール、快適なトレーニング環境を整えることが不可欠です。
初心者に自宅の筋トレをおすすめしない理由
筋トレを始めようと考えている初心者にとって、自宅でのトレーニングは手軽で便利な選択肢です。
しかし、正しいトレーニングのやり方がわかっていない段階では、自宅トレーニングは有効ではありません。
効果的かつ安全に筋肉を鍛えるためには、パーソナルジムの利用を強くおすすめします。
初心者にはパーソナルジムがおすすめ
初心者の場合、最適なトレーニングを行えていない場合がほとんどです。正しいトレーニングを選び、正しいフォームで適切に負荷をかけるのは難しく、怪我のリスクも高まります。
一方、パーソナルジムに通うことで「トレーニング効果が高い」「知識がつく」「モチベーションを維持しやすい」という3つのメリットがあります。
パーソナルジムでは、あなたの目標や理想的なスタイルに合わせて、最適なメニューを組みます。
あなたに合わせた効果的なメニューや負荷のかけ方でトレーニングできるため、高い効果が得られやすいです。
また、効果的なトレーニングのやり方についての知識が身に付きます。パーソナルジムで知識を得てしまえば、自宅やフィットネスジムで効果的なトレーニングができるようになります。
筋トレが続かない方にとっては、モチベーションの維持にも役立ちます。一人でトレーニングを続けるのは挫折してしまうことも多いですが、トレーナーが伴奏してくれることで続けやすくなります。
フィットネスジムはパーソナルジムの補完に使う
パーソナルジムとフィットネスジムは「ジム」という同じ単語がついてますが、全く別ものです。
フィットネスジムはトレーニングマシンのような設備やスタジオプログラムを提供する場です。自宅ではできない多様なトレーニングが可能なことが大きなメリットです。
パーソナルジムと比較すると安価な場合が多いため、そちらを利用したい方もいるでしょう。
しかし、初心者のうちは怪我のリスクが上がったり、最大のトレーニング効果が出ない可能性があります。
まずはパーソナルトレーナーのアドバイスを受けて、自身の身体とトレーニングについて経験と知識を付けてから利用するのが良いでしょう。
自宅は休養の場にする
自宅の筋トレは手軽ですが、筋肉を育てるためには休養が重要です。可能なら自宅は、主に休養の場とすることを推奨します。
筋肉が成長するのはトレーニング中ではなく、その後の休養期間です。筋トレによって筋繊維が破壊され、休養中に修復されることで筋肉は強く大きくなります。
Schoenfeld et al. (2016)の研究では、十分な休養を取ることが筋肉のタンパク質合成を促進し、筋肉の成長に寄与することが示されています。
また、Halson (2014)の研究は、適切な休養と睡眠が筋肉の修復と成長に重要であることを強調しています。これらの研究は、休養が筋トレの成果を最大化するために欠かせない要素であることを裏付けています。
トレーニングと休養の場所を分けることで、より集中してトレーニングに取り組むことができ、休養も効果的に取ることができます。
ジムをトレーニングの場所、自宅は休養の場所と別けることが、効率的に筋肉を鍛えるために効果的です。
部位別のトレーニングのポイント
鍛えたい部位やトレーニングごとのポイントについてご紹介します。
腹筋
腹筋はお腹周りを鍛えたい方には魅力的なトレーニングですが、知らずに誤った方法で行うと、首や腰を痛めてしまう可能性があります。
腹筋というと、仰向けになって膝を立てた状態から、上体を起こして行う筋トレをイメージするかと思います。
実はこの腹筋は腰を痛める方も多く、ご自宅でやる筋トレとしてあまりおすすめできません。
そのため、これから腹筋を鍛えていきたいという方には以下のトレーニングをおすすめしています。
- 仰向けで足を左右に振る
- 仰向けで足を上げる
腹筋は効率的なサーキットトレーニングがおすすめなので、慣れてきたらぜひ挑戦してみてください。
関連記事:【プロが教える】自宅スクワットの効果的なやり方とトレーニングメニュー4選
腕立て伏せ
腕立て伏せは広く知られたトレーニングなので、なんとなくでやってしまう方も多いですが、間違ったフォームややり方で行ってしまうと体を痛めてしまうこともあります。
上半身を鍛える上で、非常に効果的なトレーニングですが、1回あたりの負荷が大きいのでうまく行えないという方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、負荷を軽減させる方法として膝をついたり、壁で行う方法があります。
やりやすいトレーニングで正しいフォームを身に付けてから、腕立て伏せに挑戦したほうがより効果的です。
関連記事:【プロ直伝】腕立ての正しいやり方とフォームについて解説
スクワット
スクワットは基礎代謝を上げ、脂肪燃焼を促進するため、ダイエットにも効果的です。
スクワットは下半身の筋肉だけでなく、腹筋や背筋といった体幹(コア)を安定させるために多く使います。
これにより、姿勢が改善され、腹部の筋肉が引き締まります。特に、体をまっすぐに保ちながらスクワットを行う際、腹筋を使ってバランスを保つので、ウエスト周りの筋肉も効果的に鍛えられます。
スクワットを行う際には、以下の点に注意してトレーニングしましょう。
- 膝がつま先より前に出てしまう
- 背中が丸まってしまう
- 重心が前に傾く
- 過度な回数や重量に頼りすぎる
自宅でスクワットを行うのであれば、効率よく鍛えるだけでなく、身体を痛めてしまわないよう正しく行えるようにしましょう。
関連記事:【プロが教える】自宅スクワットの効果的なやり方とトレーニングメニュー4選
正しい筋トレで効率良く成果を出そう!
今回は、自宅の筋トレにおける重要なポイントについて解説してきました。
最終的にパーソナルジムを活用することをおすすめしましたが、まずは筋トレをはじめることが重要なので、気軽に自宅からはじめてみるのも良いでしょう。
とはいえ、トレーニングの効果を最大化するためには、やはりパーソナルジムを利用されるのがいいでしょう。もし、パーソナルジムを検討されるならAtelier Reve 藤が丘の体験トレーニングをご利用ください。
私、プロトレーナーりゅうけんが、本気で向き合い全身全霊でサポートさせていただきます。
参考文献
- Snyder, B. J., & Fry, A. C. (2012)『Effect of verbal instruction on muscle activity during the bench press exercise』
- Schoenfeld, B. J., Ogborn, D., & Krieger, J. W. (2016)『Effects of Resistance Training Frequency on Measures of Muscle Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis”. Sports Medicine』
- Halson, S. L. (2014)『Sleep in elite athletes and nutritional interventions to enhance sleep”. Sports Medicine』
- Peters, E. M., et al. (1998). “Vitamin C supplementation reduces the incidence of post-race symptoms of upper-respiratory-tract infection in ultramarathon runners.” The American Journal of Clinical Nutrition
- Moraska, A., et al. (2000). “Treadmill running produces both positive and negative physiological adaptations in Sprague-Dawley rats.” American Journal of Physiology-Regulatory, Integrative and Comparative Physiology